自民党ホームページ

自民党 / 二島とよじ Official Site

政策・提言

■平成26年度予算特別委員会( 2014.02.21)


◯委員長  次に、二島委員。

●委員(二島豊司君)  先ほども話題になっていました特別区民税収入について、その前段といいますか、その前提の話をお伺いさせていただきたいと思います。予算概要の3ページ上段の表、特別区民税収入と人口の推移、これは毎年この予算概要に載っているのですけれども、これによりますと、三位一体改革の影響がありましたけれども、おおむね平成20年度、平成21年度くらいまでは、特別区民税収入と人口の推移とが同じようなトレンドにあるということが見て取れるわけであります。その後、平成20年9月のリーマンショックに端を発した世界的な不況、そして平成23年3月11日の東日本大震災の発生、ヨーロッパの債務危機等に影響されて景気が低迷を続けて、ここ数年は人口が増えているにもかかわらず特別区民税収入がそれに伴わないということが続いてきたわけであります。
 ここ数年の予算概要を見返しますと、景気の低迷が続き、特別区民税収入が減収となる状況に対する危機感が非常にあらわに記載されているのですけれども、平成26年度は、今年度に続いて特別区民税収入の増収が見込まれている、それに伴って収入についての見通しや財政の見通しについての記述はほとんどないのです。来年度は、トレンドとしては特別区民税収入と人口の相関が取り戻されているというようにも見えますが、特別区民税収入の変動要因について、その主たる要因はどこにあるとお考えでしょうか、ご認識をお伺いいたします。

◯財政課長(佐藤博史君)  特別区民税収入につきましては、人口と景気動向及び税制改正、この3点が特に大きく影響を受けるものと考えております。これまでも平成18年度までは、人口に連動する形で特別区民税収入が増収となっておりました。税制改正や大幅な景気変動があった平成19年度や平成23年度を除きますと、平成23年度以降についても人口との連動が見られます。景気の上昇局面におきましては、人口との相関が回復しているという状況と認識しております。

●委員(二島豊司君)  これは私の認識なので、お伝えさせていただきますが、本来であれば、高度成長期以降今までずっと、人口が増えればそれに伴って右肩上がりで景気がよくなって、財政もよくなってきた、これは間違いなく歴史が示すところでありますけれども、どうもそうではなくなってきたのではないかということがここ数年の見立てだったわけです。ことしになって、また過去に戻って、やはり人口が増えれば財政もよくなるのだという認識に戻るのか。私はそうではないと、たまたま平成26年度については、人口が増える向きと財政がよくなるという向きが一致したけれども、これはたまたまの話で、数年前の危機感あらわなときは、何で人が増えているのに財政が伴わないのだということが表現からその動揺すらあらわになるようなことが続いてきたので、私は、そのほうが今後起こり得るということだと考えております。ですので、平成34年度までは、今、港区政策創造研究所でお出しいただいた人口推計ではずっと人口が伸びている。だからここ数年間は人口と財政はトレンドが一致しなかったけれども、景気が回復して取り戻したから、この人口推計どおりに右肩上がりに人口が増えれば、財政も同じように伴ってそれが回復していくと安心してはいけないと思います。この話の続きは総務費において、では、どうしたらよろしいのでしょうかという質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。

 次に、消費税率引き上げによる増収分についてお伺いさせていただきます。消費税率引き上げによる増収分は、全て社会保障の充実、安定に向けるということとされております。来年度予算で7億5,500万円消費税分増収が見込まれております。これにつきましては、社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費に充てるということでありますが、具体的にどのような事業に振り向けられているか。消費税を増税した分、消費税率引き上げで自治体が増収した分、この事業にその分は充てられているのだと、先ほど復興増税の話もありましたが、目的税でありますので、それを明示するという考え方もあると思うのですけれども、区の考え方をお聞かせください。

◯財政課長(佐藤博史君)  消費税率の引き上げ分につきましては、社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費に充てることとして、予算概要にて明示しております。  社会保障4経費は、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費とされており、区としても幅広い事業に活用してまいります。増収分の具体的な使途を明示することは、大変わかりやすい形となりますが、区としましては幅広く区民の皆さんにご負担いただくものであることを踏まえ、福祉の幅広い分野の事業に充当してまいります。

●委員(二島豊司君)  福祉の幅広い分野にもちろん充当していただくということなのですけれども、先ほどの土屋委員との質疑で明らかになったように、10%まで無事に消費税率が引き上げられると、平成29年度には平成25年度の2.2倍になるということですので、増収分として20億円増えてくる、増収になってくるわけです。20億円とはかなりのインパクトだと思うのです。復興増税は10年間で約6億5,000万円ですけれども、増税前と後とで20億円の差が恒常的に生まれてくるということであります。これが社会保障にかかわる費用になりますが、既に港区もかなり手厚くやってきて、増税前から保育園対応や、非常に手厚くやっていただいて、既にボトムアップしてしまっているので、そこに新しく入ってきても、どうしても差が見えにくいということはわかっております。でも、例えば地方債を立てて、かつかつでやっているところや、交付金によって成り立っているような財政でやりくりしているようなところに真水の新しい消費税の増額分が入ってくれば、社会保障に出ていく費用にそれが充て込まれたということがわかりやすいと思うのですけれども、港区の財政構造の中で新しく真水で20億円入ってくるということはすごいことですので、このような恵まれた環境にあるところはないと思いますので、我々は広く負担するということであります。やはり当然のことながら払う側からすると、消費税率の引き上げは痛みを伴うわけです、その時点においては。その時点においては痛みを伴うけれども、やはり世の中のシステムが、これができることによってよくなるのだ、後年度の子どもたち、その先の世代にとって、財政構造上好ましい形にして引き継いでいくのだということを、それを受け入れる側の行政、国も含めてですけれども、やはりそれはきちんと示していかなければいけないと思います。
 ですので、例えば全額丸々とは言いませんけれども、やはり港区にしかできないような全く新しい事業を打ち出していただいて、これは消費税の増税分を財源にしています、港区はこのようなことをやりますということができてもいいのではないかと思います。20億円がどんと入ってくる、財政的にはありがたい。ありがたいことだと思うのですけれども、それはやはりそれぞれの人が、あめ、ガムを買っても今まで5円だったところが10円払っていくというその負担の積み重ねとなってくるわけですので、払う人の気持ちを酌んで、消費税を払ってよかったと思えるような事業をぜひ構築していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 以上です。

◯委員長 二島委員の発言は終わりました。 ……………………………………………………………………………………………



◯委員長  次に、二島委員。

●委員(二島豊司君)  心のバリアフリーについてお伺いさせていただきます。  今年度、平成25年度は心のバリアフリー推進のためのビデオ、「心のバリアフリーわたしの友だち」を作成し、昨年12月7日に開催されました第38回障害者週間記念事業「ともに生きるみんなの集い」で、そのビデオが発表されました。現在、これをどのように活用されていらっしゃるのでしょうか。お伺いします。

◯障害者福祉課長(大竹悦子君)  心のバリアフリー推進のためのビデオ「心のバリアフリーわたしの友だち」につきましては、平成26年1月1日から3月末日まで、毎日午後8時にケーブルテレビの30分番組として現在放映しております。また、同じ期間1月1日から3月末まででございますけれども、ダイジェスト版を「ちぃばす」内のモニターで放映しております。また2月17日からは港区ホームページに掲載し、広く区民の皆様にごらんいただける機会を広げてございます。さらに庁内各課、いきいきプラザなどの各施設及び障害者団体等の関係団体120カ所余りにDVDを配布しまして、職員や関係者の障害に関する理解促進に向けて研修等で活用していただいております。
 なお、ケーブルテレビ及び港区ホームページを視聴することのできない区民の皆様や希望者には広報みなと3月1日号で周知いたしまして、この3月3日から障害者福祉課でDVDの貸し出しを行っているところでございます。

●委員(二島豊司君)  今もホームページで見ることができますので、ここにいらっしゃる方はもちろん全員ごらんなっていると思いますが、ぜひ皆さん見ていただきたい。25分ありますので、少し片手間に見ようというよりも、見るぞと思って見ないとならないのです。ついついホームページなどですと映像なので、クリックしてほかの作業をしながらという感じになりがちですが、ぜひ25分間しっかり見ることが必要ではないかと感じます。
 来年度、平成26年度は、子ども向けのビデオを作成するということになっていますが、これらを有効に活用して、心のバリアフリーの推進そして啓発に一層力を注いでいただきたいと思っております。上映会などのようなものも何かのイベントのときにおやりになっていただいたりとか、ぜひ活用していただきたいと思います。
 このビデオの中に登場される佐藤さんという方がいらっしゃるのですが、この方は将来的にグループホームでの生活を望まれていらっしゃることをコメントされているのですね。ビデオの中で区は、支援の必要な障害者の将来のために共同生活の場としてグループホームなどの建設や管理にも取り組んでいますと、障害者グループホームの紹介をされております。バリアフリーの理念をビデオで啓発されているわけですが、その実践の1つが地域の中で生活をするグループホームであると言えると思います。
 来年度、民間が設置する精神障害者グループホームが設立されるとのことですが、その概要と区の支援内容をお聞かせください。

◯障害者福祉課長(大竹悦子君)  区内で、精神障害者が通う就労継続支援B型事業所みなと工房を運営しております社会福祉法人港福会が、本年平成26年6月に区内で初となる精神障害者を対象にしたグループホームを開設する予定でございます。
 このグループホームは田町駅芝浦口から徒歩8分程度の芝浦一丁目に開設の予定で、5階建ての民間ビルの2階と3階部分を改修いたしまして、精神障害者6人が利用できるグループホームを予定しております。
 区は、区内に精神障害者グループホームの設置を促進するため、民間グループホーム開設時の開設準備経費について、補助制度を設けてございますが、それとともに施設借上費、社会活動訓練費、設備整備費などグループホームの安定的な運営を図るため、その運営資金を補助しております。
 なお、これ以外にも区といたしまして、現在、南麻布五丁目と南青山二丁目に、精神障害者グループホームの整備を計画しているところでございます。

●委員(二島豊司君)  みなと工房さんと地域の方との、もう既に、みなと工房さんの施設が芝浦一丁目にあり、町会とその施設のコミュニケーションの中で、理解を示された方がぜひうちのビルを使ってくれというような話から出てきたと。やはり、民設のグループホームの整備が進まないということでシティハイツの下につくったり、区有地を求めてそこにつくったりということを進めてきた中で、初めて、この民間の精神障害者グループホームがここにできるということはすばらしいことだと思います。ぜひこれをまた一つの心のバリアフリーの発現だと思って、ぜひこの事例を生かして、次に続くものをまた求めていっていただきたいと思っております。支援体制をしっかり構築していただきたいと思います。
 国連の障害者権利条約発効5年でやっと日本が昨年の12月に国内の法整備等が整って、条約を批准してこの2月19日に効力が発したということであります。そのような条約上の要請などもありますので、地方自治体である港区としてもしっかりとその趣旨にのっとって、心のバリアフリーを進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 次に、子育て家族支援者養成講座の認定者を派遣する派遣型一時保育あい・ぽーと子育てサポートについて、お伺いします。まず、制度の概要と利用状況について、お伺いします。

◯子ども家庭支援センター所長(保志幸子君)  派遣型一時保育は、支援を必要としている親子と子育てを支援したいという方とをつなぐ事業です。あい・ぽーとが養成している子育て・家族支援者2級の認定者が保育を担っており、現在170名が活動しています。家庭や子育て広場、公園など保育場所を自由に選ぶことができて、習い事の送迎などにも対応しているため、子どもの状況にあわせた保育が可能であることが、大きな魅力となっております。
 派遣型一時保育をご利用になるには、まず利用登録が必要ですが、この登録会員は平成24年度は1,497人で、これは5年前の約3.4倍です。また、年間利用件数は平成24年度1万1,399件で、これは5年前の4.8倍にも上っております。平成25年度もこの1月までで、9,346件と大変多くの皆様にご利用いただいております。

●委員(二島豊司君)  この派遣型一時保育の利用会員となれる方は生後7日から小学校6年生までの子どもの保育の支援を必要としている方。生後7日から小学校6年生までのお子さんの保育のお手伝い、面倒をこの支援会員の方が見てくださるのですね。
 利用料金なのですが、平日と土曜日の日中は、1時間当たり900円。日曜祝日または平日と土曜日の朝7時から9時までと夕方6時から9時までは1,100円。病後児や新生児、今7日からと言いました新生児も見ていただくことができて、それは1時間当たりプラス100円となっております。基本的に、夜9時以降宿泊を伴う場合は別の料金体系になりますが、基本的に病後児と新生児以外は、ゼロ歳児であっても小学校6年生であっても同一の利用料金となっています。多少の上乗せがあるそうですけれども、支援会員の方の収入も利用料金とほぼイコールとなっている。
 やはり、ゼロ歳児と元気な小学生とでは面倒を見る方の負担感は随分と違うのではないかと思うわけです。利用件数は先ほどお伺いしたように、年々増加していて、支援会員さんも増えているということでありますが、さらなる充実を図るために、支援会員になっていただけるという方に対するインセンティブを、区として上乗せしていくことがあってもよいのではないかとも思います。その上で、今後の事業展開に対する区としての見解をお伺いします。

◯子ども家庭支援センター所長(保志幸子君)  今後の事業展開に向けては、子育て・家族支援者を増やしていくことが最大の課題であると認識しております。現在も広報やホームページ、チラシ等により、支援者養成講座をPRしておりますが、今年度発行する子育てハンドブックには、支援者による懇談会の記事を掲載しています。子どもとともに過ごす楽しさや喜び、支援の意義や充実感などを広く周知してまいります。
 ご指摘の支援者へのインセンティブといたしましては、現在は宿泊支援の際の手当、また一定時間以上の活動を継続した方への講座受講料の返還などを行っております。支援者への新たなインセンティブの手法につきましては、今後さらに調査研究をしてまいります。

●委員(二島豊司君)  よろしくお願いします。やはり先ほどの介護の話もそうですけれども、保育をしていただける方の待遇改善はすごく大事だと思っております。大切なお子さんを見ていただく、その見ていただける方に対する対価はきちんと見なければいけないことだと思います。それは利用者の方が当然応益的に負担していく部分もありましょうし、負担をし得ない方については公的なサポートがもちろん必要になってくるということであります。
 保育園の保育料のテーブルを見ても、一番高いところは5万7,500円。1カ月の保育料の負担としては利用者側から見ると重いと感じる方もいらっしゃるかもしれないですけれども、これを1日11時間、土曜日もOKですので、月に25日間、仮にこれをフルで見てもらおうとすると、時間単価にすると200円ぐらいになってしまうわけです。当然のことながら、保育園はあけていなければいけませんから、その間、常にスタッフとして保育士の方やその他の方がいらっしゃれば、いていただかなくてはいけない。当然、その方に対する人件費負担は、利用者側からすると負担を上げろというと非常にいかがなものかという議論になりがちなのですけれども、やはり保育をしてくれる方に対するものを、介護も一緒だと思いますが、その人たちがきちんと保育をしてくれるということに対する対価をきちんと得られることに目を向ければ、今、子ども・子育て支援新制度に向けて、このようなテーブルなどに見直しがあろうかと思います。そして、きちんとそれが反映されて、支払い能力のある方については、相応のものをやはり負担していただいて、それが難しい方については、支援体制を構築していくということが継続的、安定的な保育システムを構築していく上で必要ではないかと思います。
 歳入のところでも、消費税について申し上げましたが、10%になれば、社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費に充てる20億円という真水と言っていい収入が港区、この保健福祉支援部や子ども家庭支援部、保健所などに入ってくる。ただで入ってくるわけではなくて消費税を負担して払った方がいるからこそ入ってくる財政的な部分です。その消費税を負担した方が、歳入でも申し上げましたけれども、消費税を払って社会のシステムがよくなったと思ってもらえるように、港区は非常に恵まれている環境でありますので、ここにいる皆さんに知恵を絞っていただいて、この20億円をどうやって理解してもらえるか、社会保障のシステムがこれだけよくなった、消費税を負担していただいたことによってよくなったのだということをぜひお示しできるような取り組みを目指して、頑張っていただきたいと思っております。これからもぜひともよろしくお願い申し上げます。  以上です。

◯副委員長  二島委員の発言は終わりました。 ……………………………………………………………………………………………



◯委員長  次に、二島委員。

●委員(二島豊司君)  夏は冷たい水、寒いときは温かいシャワー、港区の子どもというのは非常に恵まれていて、そこまで過保護にされて……。過保護と思ってしまうのか、子どもたちの環境を整えるか、ちょっと後ろで聞いて、そのはざまで、私はどっちなのだろうと考えました。
 ネイティブ・ティーチャーについて伺わせていただきます。港区のホームページには、港区教育委員会は国際人育成を目指す教育特区に係る構造改革特別区域計画について、国から認定を受けています云々と。平成18年度から数校で始まって、平成19年度以降は全校で国際人育成教育を系統的に実施していますと。平成21年度からは、いわゆる別の教育課程特別校の申請によって、のっている制度は違っているようですけれども、中身は恐らくかわっていないのでないかと思っておりまして、そこで質問をさせていただきます。  現在、何人のネイティブ・ティーチャーの方が区立の小・中学校に配置されていますでしょうか、お伺いいたします。

◯指導室長(平田英司君)  区立小・中学校におけるネイティブ・ティーチャーの配置につきましては、業務委託方式により、各校1から3名で、合わせて延べ48名の配置をしております。

●委員(二島豊司君)  各校で1名は大前提で、複数名いる学校もあるということで、他の自治体の方から、すごいねと言われるゆえんであるかなと思います。ネイティブ・ティーチャーの方を配置されるに際して、どの学校にどのネイティブ・ティーチャーの方を配置されるということをどこで決めるのか。また、その決める際の基準についてお伺いいたします。

◯指導室長(平田英司君)  国際人育成推進事業委託を事業者と結びまして、各学校の規模やニーズによって、必要な人数のネイティブ・ティーチャーを配置しております。

●委員(二島豊司君)  国際人育成推進事業委託契約で、受託先が、どの方をどこに配置するかということを決めているということです。港区が事業委託先、受託者にネイティブ・ティーチャーを配置していただいているわけでありますけれども、ネイティブ・ティーチャーの方の平均の在職期間と最長どのぐらい1つの学校におられた方がおられるか。また、最短期間ではどういったケースがあったか、お伺いします。

◯指導室長(平田英司君)  港区と委託業者の契約は単年度契約のため、同一校で原則1年間の契約としております。現在、期間が一番長いネイティブ・ティーチャーは、複数年にわたり事業者と契約している方で、7年程度と聞いております。在職期間が一番短いネイティブ・ティーチャーは、病気あるいは家庭の事情によりまして帰国等、やむを得ない事情で途中交代するということで、3カ月程度の方もいるということでございます。

●委員(二島豊司君)  7年いていただけるというのは、学校との信頼関係は厚いのだろうと。7年もいらっしゃると、先生方の中でも最古参みたいな形ぐらいまでいっている可能性もある。そのくらい学校にも、生徒や児童にも、もちろん保護者や地域の方にも信頼されているような方なのだろうと想像します。
 港区がネイティブ・ティーチャーを受託者の方に配置してもらう際に、個々のネイティブ・ティーチャーに要求するスキル、資格、また研修体制などについては、どのようなものがあるか、お伺いをいたします。

◯指導室長(平田英司君)  ネイティブ・ティーチャーの派遣を受ける際の条件として、英語を母語とし、標準的ななまりのない英語を使用する者。適正な就労ビザを有する者。心身ともに健康である者。本委託業務を履行するのに必要な水準の指導技術を有する者。港区の国際理解教育を十分に理解し、積極的に児童・生徒と交流し、親しみやすい指導者として人格的にすぐれている者。1年間を通して同一の履行場所にて業務できる者、以上6点を挙げております。また、研修体制につきましては、採用にあたり、受託者において事前の研修を行うとともに、採用後は毎月、定例の研修会も行い、質の確保及び向上に努めております。また、指導室では定期的に国際科の授業参観を行うとともに、年間8回の国際科担当者会において、日本人教員とネイティブ・ティーチャーが一堂に会し、指導法について学ぶ機会を設定しております。今後も、受託業者と連携を図りながら、国際人育成事業を進めてまいります。

●委員(二島豊司君)  ネイティブ・ティーチャーになっていただく条件としては、こういう資格者という客観的なものはないのですね。きれいな英語を話される方で、1年間やっていただける方、健康、人格的にすぐれている方、親しみやすい指導者。これをだれが判断するかというと、業務委託ですので、受託者が判断する。受託者が決定して、この学校にこの方をと。中には7年いらっしゃる方もいますので、人材もいい方だとは思うのですが、業務の履行日数、仕様書を見ると、小学校は、年間40週、延べ週4日程度。中学校は、年間40週、延べ週5日程度。原則として午前8時30分から午後4時までの間で、1日7コマ以内を原則とするというところで、ほぼフルタイム、学校にいらっしゃる。子どもたちから見れば、先生と全く一緒なのだろうと思うわけであります。そういった方を学校に配置するに際して、業務委託契約が一番妥当な契約形態なのだろうということは、やりとりの中でわかりましたけれども、どういう方をどういう学校に配置するかということについては、指導室なり教育委員会、学校長の関与が、もう少しある仕組みはつくれないのか。  いい先生はいいですけれども、業務委託ですから、子どもたちと仲よくなって、つい仕様書に書かれている以外のことが、子どもとのコミュニケーションの中であるけれども、それは偽装請負ですみたいな話になってしまったら、もったいない話です。また、これはあってはいけないことだとは思いますけれども、万万が一、ネイティブ・ティーチャーの方が児童・生徒とトラブルとなったときに、親から見れば、その責任者はだれだというような思いに至ったら、教育委員会事務局なり指導室なり学校が、その第一線で、我々の責任ですと言っていただく。それに際して、決めたのは業務委託先ですとは言えないわけです。業務委託先が、あの人を連れてきたから、あの人の質が悪いのは業務委託先の責任ですというわけにはいかないわけですから、そのあたり、もう少し何か関与できる仕組みというのを考えていただきたいと思っております。ご検討願いたいと思います。
 次に、キャリア教育についてお伺いいたします。先ほども少し出ていました。特に小学校でのキャリア教育についてお伺いいたします。港区教育委員会の掲げる基本方針の中に、魅力ある学校教育の推進というのがありまして、その中に、職場体験等を通して、望ましい勤労観、職業観を育み、主体的にみずからの進路を判断し、選択できるキャリア教育の充実を図りますと。港区教育委員会としては、キャリア教育をどのように考えておられるのでしょうか。

◯指導室長(平田英司君)  港区では、子どもに将来への夢や希望を育み、望ましい勤労観、職業観を育成し、自分のあり方や生き方を考えられるよう、小学校から積極的にキャリア教育に取り組んでおります。例えば小学校は、児童の発達段階を踏まえて、1年生ではお店屋さんごっこ、2年生ではまち探検、3年生ではお店体験、4年生では2分の1成人式、5年生では工場見学、6年生では職業体験などを実施しており、総合的な学習の時間のみならず、各教科、道徳、特別活動との関連をつけ、全教育活動を通して指導しております。将来、社会の一員として、また職業人として日本の社会を支えていく自分の役割や、学校での学びが自分たちの将来と関連していることに気づかせるキャリア教育は、今後も重要性を増していくものと考えております。

●委員(二島豊司君)  ありがとうございました。学校支援地域本部事業との関連が考えられるのではないかと思っておりまして、キャリア教育の一環として、特異なキャリアを持つ方や、さまざまな専門家などの知識、経験を児童・生徒に対して伝えていただくようなことは、子どもたち自身の将来に対する視野を広げることに大変有用であるのではないかと思います。そのような機会を設けるに際して、学校支援地域本部事業が活用できるのではないか。活用すべきではないかと考えておりますが、いかがでしょう。

◯指導室長(平田英司君)  平成26年度から実施する学校支援地域本部事業は、学校と地域をつなぐコーディネーターを配置し、学校を支援する仕組みづくりを行います。区内では、児童・生徒が多様な生き方や仕事、価値観を知り、自分の生き方や将来を考えるきっかけとなるよう、キャリア教育に関する企業やNPO団体が活動しております。こうした企業やNPO団体の活動や支援内容を一元管理し、コーディネーターなどが学校に情報提供することは、児童・生徒にとって、多様な人間関係や本物に触れる体験など、学習機会を広げることとなります。学校支援地域本部事業も活用して、キャリア教育を推進する連携システムを構築できるよう、関係部署とともに取り組んでまいります。

●委員(二島豊司君)  学校支援地域本部の後ろにいろいろなリソースを設けて、人材バンクのようなものを学校支援地域本部を通じて、学校とつなげていくというようことは十分にあり得るのではないかということを考えます。職業体験は非常に重要で、もちろんそれは否定するわけでもないですし、子どもたちが近所の商店街のお店に行ってレジをやらせてもらったなどという話は、地域のコミュニケーションの中でも重要な役割を果たしているということは、もちろん認識しておりますが、民間の娯楽施設に行けば、ビジネスとして多様な職業体験というのは、みんな、お金払っていって、運営して、行った人も喜んでいる。そういうことも実際にはあり得るわけです。だから、そこに余り集中し過ぎるよりも、これは私の社会人になったときの初めての上司からの言葉で、私はいつも座右に置いている言葉があるのですが、判断は経験と情報を超えることができないと。つまり、自分が経験することはもちろん大切。そして、人が体験したことを情報として得て、疑似体験すること。その幅をいかに広げるかということが、自分の判断の幅を広げることだ。人の話をよく聞きなさいということを言われたわけであります。実際、体験するということについては先ほど申し上げたとおりですけれども、いろいろなキャリアをお持ちの方からの話を聞く。その前の段階で取り上げました国際科の授業などは、このキャリア教育と親和性が高いのではないかということを思います。港区の国際科の教育はコミュニケーション能力、英語の授業、語学の授業です。ネイティブ・ティーチャーの方、テンプル大学の学生さんなどに来てもらう。外国人と接するということが国際科というように今、運用されていますが、例えば日本人で国際機関で活躍された方や、海外ビジネスの世界の第一線で働いてこられた方など、そういった方は枚挙にいとまがないわけでありまして、外国に行って、日本人がどう見られて、それを受けて、外国の方に対して、日本人である自身をどうプレゼンテーションしなきゃいけないのだということも学んでいくということは、大変大切なことではないかと思っております。  そういう意味において、毎年の評価報告書で今回は国際人育成事業とあるのですが、これの所管課による評価コメントというところは、学力調査等においても確実に成果を上げています。テストの点数が上がったではなくて、もっと広い視野で子どもたちを見詰めていただきたい。子どもたちに対して、そういう機会を与えていただきたいということが、今回の私の質問の趣旨でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 教育委員会制度の改革については、もう少し議論が煮詰まるかと思っていたのですが、まだ、きょうも自民党と公明党のワーキングチームでやっておりますので、質問はいたしませんが、教育長と教育委員長が合わさって、新しい教育長というポストができること。それをまた区長が教育長として指名するということ。区長が総合教育施策会議を招集して行うといったことについては、おおむね決まっております。恐らく今、開催されている国会で、地方教育行政法が改正されるということになってきて、また違った役割も担う可能性があると思いますので、教育委員の皆さんには、引き続きまして、港区の教育をしっかり見ていただきたい。また、事務局の皆さんにおきましても、子どもたちに適切な教育の機会を与えるということについて、常に進歩する考え方をお持ちになって取り組んでいただきたいということをお願いさせていただきます。  以上です。

◯委員長  二島委員の発言は終わりました。 ……………………………………………………………………………………………

▲ページトップへ